ご挨拶
平素より、精神科リハビリテーションの進展と学術研究に多大な御理解と御尽力を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、この度、一般社団法人SST普及協会(以下「SST普及協会」)と同協会北東北支部により、第29回SST全国経験交流ワークショップin北東北を開催することとなりました。令和6年7月20日(土)~21日(日)にマリオス(岩手県盛岡市)にて開催いたします。
SST普及協会は、1995年2月にSST(Social Skills Training)の普及および精神科リハビリテーションの発展を目的として設立され、2025年には30周年を迎えます。SST普及協会設立以降、SSTの普及および技術研鑽を目的とし、全国において、学術集会、経験交流ワークショップ、研修会等を開催してまいりました。2014年には一般社団法人SST普及協会となり、より大きな社会的責任を担う団体として協会は発展しています。
この度開催するSST全国経験交流ワークショップは、SST普及協会の研修事業の一環であり、全国規模のワークショップとして、これまで各地で開催しております。ここ数年は、コロナ禍において開催を中止および延期する事態に見舞われながら、開催方法の模索を続け、このたび対面での開催を決定した次第です。
SST は行動療法にその原型を求めることができ、その後、認知の要素を取り込みながら発展してきました。複数の理論を背景としてさまざまな技法を含んでおり、1994年には診療報酬に算定されました。精神科治療において、地域で安定した生活を支えていくためには、新たな抗精神病薬の開発・活用とともに、心理社会的治療法の需要は大変高く、こうした需要のもと、本ワークショップでは、SSTの知識や技術の習得、精神科治療における位置づけ、薬物療法をはじめとした他の治療法との関わりにおいても理解を深めるべく、活動を広めております。
またSSTは精神科を中心とした医療現場だけに限らず、矯正施設や更生保護分野、教育現場や社会福祉機関等においても実践の場が広がっており、SST普及協会はSSTの和訳を「社会生活スキルトレーニング」として規定し、さらなる普及啓発に努めております。
本ワークショップは、SST普及協会創立30周年記念事業 プレ企画に位置付けられており、30周年記念事業に関連した講演、シンポジウム、ランチョンセミナーも企画しております。
誠に恐縮ではございますが、本ワークショップの趣旨に御理解をいただき、多くの皆様に御参加を賜りたくお願い申し上げる次第です。
令和6年4月吉日
第29回SST全国経験交流ワークショップin北東北
大会長 一般財団法人愛成会 弘前愛成会病院 院 長 田崎博一